雨の日の『晴れ着』
日本では 人生の節目や折り目、祭りや行事を 『晴れ・ハレ』といい、 日常の『褻・ケ』と区別していいます。
また、その特別な日を『晴れの日』、イベントを『晴れ舞台』、衣装を『晴れ着』といいます。
『晴れ着』はいつもよりお洒落に、豪華に、晴れ舞台にふさわしいものを選びます。
きもの では 紋付、留袖、振袖、訪問着、付下げ、色無地などがその『晴れ着』になります。
春は 卒業、入学、就職など、『晴れ』が多い季節です。
『晴れ着』を用意して、当日を待つばかり。
桜も咲いて 祝福してくれているようです。
がしかし、当日、空は雨模様・・・。
『晴れ』なのに 雨・・・ 悲し・・・ そんな時ありますよね。
安心してください! せっかくの『晴れ着』の着物を汚さないために 雨の備えできます。
今日は知って得する『着物の雨支度』についてお伝えします。
羽織りもの、足もの、持ち物を雨汚れからしっかりガードしましょう!
<コート>
正絹の着物生地は雨に濡れると縮みます。また濡れた部分だけ輪しみになります。
泥がつくと生地が染まり、なかなか取れません。
『晴れ着』を守るためにコートを着ましょう!
雨ゴート(あまごーと)衿下から裾まで、1枚でカバーしてくれます。
二部式コート。上下に分かれているもの。 上下、別々にも利用できて便利。
ない時は 大判の風呂敷を腰から下に巻くのもありです。
コートなどの下の着物の裾ははしょり 帯に挟んでおきます。クリップで止めるとなお安心です。 (長襦袢が見えるのが心配でしょうが、長襦袢は多少見えてもいいのです。
長襦袢は元祖見せる下着ですから。その話はまたいずれ。)
<草履>
草履の裏は 鼻緒をつけるために穴が開いています。 ここから水が入ると台や花緒が濡れてシミ・カビの原因になりますので注意が必要です。
雨草履、爪皮(つまかわ)というカバーのついた草履。
また底に穴が開いていませんので 安心です。
ない場合は 『おとも』(草履にすっぽりとかぶせる透明のカバー)が便利です。ネットですぐに買えますよ!
とんでもなく雨足が強い時は現地まで長靴で行くのもありです。 履き替える草履を持参しましょう。
<足袋>
防水の足袋、足袋カバー(足袋の上から履く靴下のようなもの)が便利。これもネットですぐに手に入れることができます。
ない場合は 履き替の足袋を持っていきましょう。
<カバン>
礼装用の織りの正絹などのカバンは 濡らしたくない!
現地までは 買い物バックなどでカバーしてください。
『催花雨』 さいかう・草木に花を咲かす時を知らせる雨。
『菜種梅雨』ともいう。
雨に濡れる桜。 傘をさしてあげたい! photo. by 夫
<番外編>
そもそも論として、着物ヘビーユーザーには ポリエステル素材の洗える着物を1枚持つという手があります。雨の日は迷わずその着物を着れば 安心! 実は私もそのようにしています。
色々と 雨の備えをお伝えしました。 まだ他にもできるあれこれございます。
出張着付けやお教室でも雨の備えをお伝えしていますので、気になる方は遠慮なくご質問くださいませ。
備あれば憂いなし。
雨の日も 是非『晴れ着』は『きもの 』で!
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