チャレンジ【草木染め】栗と茜

 二十四節気では 霜降(そうこう)、朝晩の冷え込みが増す頃です。

日中によくても 夕方以降は肩にかけるものがあると安心ですよね。

 今回はそんな時に活躍できそうなストールを染めました。

記録として ここに記しておきます。

 

 今回は栗と茜。

栗はイガや渋皮の部分を、茜は根っこの乾燥したものを使います。

今回の茜はインド茜です。色が濃く出るので使い易いそうです。


 素材は 絹(細い糸でシャーリングの部分)とウール(太い部分)の交織のストール。

ウールは高温がNGです。 染料液が高温にならないように注意します。


 媒染剤はアルミと鉄です。




 さて、結果は・・・


 この濃い灰色は 栗の鉄媒染です。 

栗からは想像ができない色ですね。しかし渋い色でとても気に入っています。

媒染前は 白茶色(白つるばみ色)でした。栗のタンニン*1 と鉄が反応してこのような色になりました。

色の薄い中央部分の白茶色が栗のアルミ媒染になります。





次は アルミ媒染の茜染めの部分です。

茜色は夕陽の色。黄色味がある赤色です。紅葉を思わせる秋にぴったりな色になりました。

茜の染料は 他の赤の染料 紅花、蘇芳、臙脂色の中でも一番古い*2 もの。

最後の部分は 鉄媒染の茜染めです。しっかりとした茶色です。これこそ栗っぽいのですが、茜染めです。



 毎回思うのですが、 草木染めは 同じ染料でも媒染剤で色が変化するのが面白いです。今回も それをよく味わえました。 

 さらに素材によっても色のでかたに違いがありそれも楽しみの一つです。

今回もウールのしっとりした色の部分と光沢のある絹の部分で違いがあり、立体的な表現ができているのも良かった点です。

 秋色のストールが完成して この寒さの中でも 楽しくお出かけできそうです。



*1  タンニン(酸)多くの植物の皮や実に含まれており、多くは茶色を出します。

つるばみ、くるみ、矢車、柿、杉皮など。鉄媒染で灰色から黒も。


*2  中国最古の本草書『神農本草経』(漢代とされる)に記載あり。日本では正倉院文書にも「赤根」の記載あり。中世以降は 紅花や蘇芳で染めたものが多いが、その後 赤糸威鎧兜(平安時代の鎧、国宝)の茜色をみて、徳川吉宗が再現させたエピソードが有名。

また桃山時代に南蛮人がもたらしたインド茜の木綿の更紗が将軍や大名や茶人に愛された。


参考図書 『日本の色辞典』 吉岡幸雄




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