きもの トリビア【黒が命!】
6月は留袖のお支度が多かったのですが、
こんなお話をお聞きしました。
お母様からいただいた留袖を出したら
『黒留袖が赤茶けていた。』
黒留袖あるあるです。
これは 『紅下黒』(べにしたくろ)といって
反物を黒染めする前に 紅で下染め加工した証で、色あせによって表面化したものです。
留袖の黒は 深い黒が良いとされ、そのためにこのような加工をします。
『紅下黒』の他に『藍下黒』(あいしたくろ)があります。
黒染めの前に藍で染めるものです。
黒紋付染めは 京都と名古屋で 経済産業大臣指定の伝統的工芸品になっております。特に京都はシェア95%です。
染色方法は 浸染め、引き染めがあり、いずれも紅もしくは藍で下染されています。
着物に限らず、染めものは色があせていくものです。
濃い色、特に黒は褪色しやすいです。
着用せずにしまっていたものでも、 空気中にある微量なガスで変色することもあります。
また、湿気によってカビもあるかもしれません。
お祝いの予定がある方は3が月位前にはお着物を一度出して、 補正やクリーニングが必要でないかチェックすると慌てずにすみますね。
かのお客様は 発見後すぐに留袖を染め直しに出されて、急いでもらい1ヶ月ほどで出来上がったと言っていました! よかったです。
レンタルの方も、下見ができるなら、黒の濃いいい色をお選びください。
ブラックフォーマルは黒が命です。
素晴らしい刺繍の留袖を御召しのお客様です。
0コメント