きものトリビア【丸帯】

 丸帯(まるおび)というのをご存知ですか?

先日、七五三の際に久しぶりに出会いましたので、少し前にもちょっとだけ触れましたが、今回詳しくご紹介します。


 現在、正・礼装で使われる一般的な帯は袋帯(ふくろおび)です。

この袋帯が登場するまでは この丸帯が一番豪華な帯として使われていました。

 袋帯は 表地と裏地を別に織り、両端を縫い合わせて袋状にしたものです。帯幅は

反物の状態で9寸(35cm弱)ほどです。一般的に裏地は無地やあっさりとした柄のものがほとんどです。


 一方、丸帯は反物状で幅を1尺8寸5分で(約70cm)と幅広です。この幅を半分にして縫い合わせたものが丸帯です。 ですので、裏も表も同じ織物ということになります。

 はじめ、この織物は江戸時代に中国より輸入されていました。 その際に 厚い板に巻かれて来たので、『厚板物』、『厚板織』とも呼ばれました。その織物で作った丸帯を『厚板』とも呼び、女性のあこがれの帯だったのです。

 戦前(第2次世界大戦前)までは正装の帯として使われていましたが、洋装化や和装の軽装化によって見かけることが少なくなりました。 今は主に花嫁さんの衣装や舞踊なので用いられています。


 ところで、この立派な帯ですが、実はとても重量があります。

両面が重厚な織物ですので、当然ですね。 そして、硬い・・・。

着付師にとってもなかなかの結びごたえのある帯です。

 以前、この丸帯を別な裏をつけて、2本の袋帯に仕立て直したというお客様に出会ったことがあります。 豪華さと軽さ、実用的の両立が 実現したのです。

素晴らしい活用法だな〜ととても感心した記憶があります。


 どうだったでしょうか? 丸帯。

『私の母親が着た帯』という、こちらのお子様のおばぁちゃまは、どのようなお気持ちだったのかな?!  嬉しいことこの上なかったと思います。

 丸帯にヒストリー。 この帯にはファミリーストーリーがありました。

とても興味深いですね。



写真の帯結びから見える裏側もしっかりとした柄が見えています。

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