きもの トリビア【身八つ口】
突然ですが、『身八つ口』って知ってますか?
一度は聞いたことがあるでしょう。
八つ口とは 衿、裾、脇下X2、袖の袖付け下(ふり)X2、袖口X2の着物の八つの開口のことです。
特に『身八つ口』とは 脇下の開きことを指して言います。
実は 『身八つ口』と『ふり』が開いているのは 子供と女性の着物だけです。男性ものは開いていません。
どうして開いているのか?
<子供の着物>
両襟先に紐が縫い付けられていて脇から紐を出してそれを結び着用する為に、また一説には体温を調節する為だったとも言われています。
<女性の着物>
紐はつけていない女性の着物は どうして身八つ口が開いているのでしょうか?
理由の一つは
授乳があるからと言われています。
もう一つは 帯の幅と関係があります。
着物の原型である中世の小袖には『身八つ口』がなく閉じていました。その頃の帯は細く男性のように腰で帯を締めていました。
桃山時代頃のドラマなどを見るとよくわかります。先日のHNK大河ドラマ『麒麟がくる』の帰蝶やお玉の姿をご覧になった方も多いと思います。
やがて江戸時代に入ると次第に帯の幅が広くなり、さらに胸高に結ぶようになった為に袖がくっついていられなくなった為に脇下開けるようになりました。
(ちなみに 幅広の帯は 遊郭の女性から一般女性に流行したものです。
遊女がその当時のファッションリーダーだったからです。)
また、女性の体型は胸に厚みがあるので、前見頃と後ろ見頃を調節して綺麗に着付けできる役割があります。
袖付け下も別に開いてなくてもいいのでは?と思いますが、帯の幅が広くなり体温が籠りやすくなったので、熱を逃すという役割もあるのです。
これらの理由から女性の着物には身八つ口があるのですが、
男性は帯の幅に変化がなかったので、昔通りに縫い付けられているのですね。
なるほどですね〜
身八つ口は 主に女性の丸みを包み綺麗に着付け、帯を高く結ぶため、体温調節の為に空いているんですね。
ちょっとしたきものトリビアでした! 着物検定試験対策にもお役に立てば嬉しいです!
脇の下が『身八つ口』、袖付け下の『振り』の開き
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