生活を豊かにする手工芸品【南部鉄器】

   最近のブログの内容が着物から離れていませんか? 

・・・とお思いでしょうが、理由がございまして。


 着物はじめると はじめはその意匠の美しさに魅了され、やがて、その加工、布、糸、繭へ、さらに日本の文化や歴史に強く惹かれ、またそれを生んだ風土へと次から次へと興味が湧き出てきます。

  きもの文化検定で大いに助けになったのはこの興味でした。それが新たな発見や楽しさを生み、勉強の原動力になってくれました。



 日本各地の工芸品に目を向けているのも その土地の人々、暮らしや風土が生む産物に興味があるからで、また単純に美しいと思えるからです。

 民藝の父 柳宗悦も 「用と美が結ばれるのが工芸」といい、暮らしの中から生まれる美の世界は 素朴で 味わい深く 懐かしさ・安心感があります。 それは着物の紬の世界にも通じます。

 まだ勉強を始めたばかりですが、 そんな私の興味が また他の誰かの興味に繋がるのでは?!との思いで 身近なものから投稿しています。


 前置きが長くなりましたが、本日は『南部鉄器』。


 国の伝統的工芸品で、 鉄を素材にした鋳物(いもの)で、鉄瓶、鉄鍋など。

2大産地があり、平泉は平安時代の奥州藤原氏、のち伊達政宗が、盛岡は江戸時代に南部藩主が、職人を招き、保護・発展させたものです。 製造に適した鉄鉱石、土や砂、水、木材が手に入り、輸送に欠かせない川(北上川)があったことが大きな産地になった要因だそう。


 鉄分の溶け出たお湯は、人に吸収されやすい2価鉄という鉄で、まろやかな味わいになるのだとか。

 本当にこれで沸かしたお湯で飲むお茶や珈琲はまろやかで美味しいです。

 特に これで沸かした 朝一に飲む白湯は 健康のために 継続していきたいと思っています。


小気味よく並ぶ『霰』アラレ文様が 鉄の無骨さを温もりある生活の道具にしている気がします。


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ここで、プチ『きもの トリビア』霰文様。 

 霰文様は 平安時代の霰と 江戸時代の霰があり、全く違う文様になります。

 平安時代の『霰』は 『石畳文様』のことで、やがて江戸時代に歌舞伎役者の衣装から『市松模様』と呼ばれるようになりました。

 江戸時代以降の『霰』とは 大きさの違う点を散らした模様で、江戸小紋の『大小あられ』はおなじみですね。

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   さて、南部鉄器は海外でも人気があり、私も実際に約25年前 イギリスのホテルで使われているのを見たことがあります。日本の工芸品が紅茶大国イギリスで使われているのを見て、なんだか誇らしく思ったりしました。


    この写真は 愛用の鉄瓶。 

 錆が出てきたので、錆止めに 茶殻を煮出して放置しているところ。 

茶殻のタンニンが 赤錆と反応して まっ茶色になっています。


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 ここで、プチ 『きものトリビア』。

タンニンと鉄を反応させて 染めるのは『大島紬』です。

 奄美大島の泥大島は 車輪梅のタンニンと泥田に含まれる鉄分を反応させ、それを繰り返し染めることで 『カラスの濡れ羽色』といわれるの深い黒を出しています。

  他にも タンニンと鉄媒染の組み合わせは クヌギは灰色〜黒、夜叉附子も黒茶〜黒となります。

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    半日放置したのちに 濯いで 綺麗なお湯が沸かせたらOKサインです。

さらに、硬水を沸かして 湯垢(白い物)を育成。 この日はコントレックスを沸かしました。これでサビの発生を防ぎます。

 お手入れ完了です。

次回は錆が出ないように、丁寧に乾燥させて使いましょ!


 歴史のある街で その風土と人々によって作られ、 そのよさから国内外で人気の工芸品、『南部鉄器』。

  無骨だけど、時間をかけ手をかけるごとに愛着が湧く、一生物の工芸品ですね。

大切にします。  

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