生活を豊かにする手工芸品【津軽塗】

  津軽塗 (つがるぬり)をご存知ですか?

青森県 津軽地方で作られる伝統漆器の総称です。



   写真は唐塗の桜型の菓子盆 テーブルを可愛らしく彩取ってくれます。


 私は 青森県出身で、 これを贈り物にしたり、また贈られたりしています。

先日も 大切な方へお贈りしました。 (この手の贈り物は良さを分かってもらえる方にしかできません。気兼ねなく普段から使っていただけるようお箸のセットをセレクトしました。)

 自宅でも 晴れの日の道具、普段の道具として利用しており、とても身近な工芸品です。


 ふるさとでは 津軽塗の品が身近にあり、 生活のそこここに使われています。

 例えば、箸、味噌汁茶碗。 茶托、菓子皿、座敷テーブルなど。

 それは我が家に限ったことでなく、普通に各家でも使われています。 それほど とても身近なものです。

 花びん、花代、飾り棚や 時計や写真立て、仏具などの調度品まで様々なものに 津軽塗が施されています。 手頃のものから最高級品まで。


    さて、では具体的にどんなものかご紹介します。


1. 経済産業省認定の伝統的工芸品

この認定には条件があります。


・工芸品であること。

・主として日常生活の用に供されているもの。

・製造過程の主要部分が手工業的であるもの。

・伝統的技術又は技法によって製造されるもの。

・伝統的に使用されてきた原材料を使用していること。

・一定の地域で産地形成されていること。


 要するに 生活で使うもので、青森県内(特に津軽地方)で、伝統的な製法・材料で人の手で作られた工芸品ということです。


2. 種類と製法、扱い方

  主な唐塗(からぬり) 、ななこ塗、 紋紗塗 、 錦塗の4技法。

 素材に 『漆を塗り重ねた後、滑らかに研ぐ』 を何度も何度も繰り返して 模様を表すという方法。 40を超える工程と2ヶ月もの時間を要します。

 他の漆器と同様に、乾燥と湿潤が苦手です。 使い終わったら、すぐ洗い、拭いておくことが大切です。間違ってもレンチンや 食洗機、冷蔵庫へ入れてはいけません。 ていねいにお使いください。

ななこ塗 (魚子塗とも。魚の卵のような模様です。着物の文様、『あられ』にも通じる柄です。) 茶托、朱色とのコントラストも美しい。我が家の20年選手です!



3. 歴史

 津軽塗の始まりは、元禄年間(1600年代末~1700年代初頭)の津軽藩主信政公の時代に全国から集められた職人たちによるものとされています。

 その後、代々藩主の推進と保護によって発展し、武士の調度品・幕府への献上品としても使われました。

 時代は明治に変わります。 しばしばウィーン万博博覧会がターニングポイントになっている工芸品は多いのですが、津軽塗もそうです。

   このとき、『津軽塗』として名され、その名が一般的になりました。

 そして、一度衰退するも 戦後に一般化し、高度成長とともに広く普及していきます。


4. 着物と津軽塗

 津軽塗とキモノはよく似合います。 津軽塗の帯留めやかんざしなどの小物、下駄などもあります。

 素朴な紬などにぴったりのコーディネートができます。

   私も 和装の際に  ブローチを帯留めに、バッグボルダーの彩りにと 利用しています。


 さて、いかがでしたか。 『津軽塗』。

 若い時は ちょっと田舎臭いもの、年寄り臭いものと思っていました。 しかし、大人になりその良さがわかるようになりました。 今となってはその魅力にハマっています。

 実は結婚の折に 親戚からのお祝いを 津軽塗にリクエストしたほど。ですので我が家にはたくさんの津軽塗があります。 

 私にとって 津軽塗は 離れていても みじかに感じられる ふるさとそのもの。 とてもありがたい存在で 宝物です。


 馴染みがない方も ぜひ一度ご覧になって見てください。

職人が作り出すその模様は唯一無二で、同じものはできません。

ジーッと見ていくと その中に小宇宙が存在しますよ〜。


<参考>

青森県津軽塗漆器協同組合連合会

伝統工芸 青山クスエア



この不思議な模様が魅力です。

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