染織の学び・芭蕉布 その1

 染織について、学んでおります。

備忘録のつもりで詳しく記載したいと思います。


 今週は『きもの学』で

沖縄、大宜味村『喜如嘉の芭蕉布』を

平良美恵子先生の講義を聞いてきました。

先生は 重要文化財 喜如嘉の芭蕉布 個人保持者 

いわゆる人間国宝の平良敏子さんの義娘さんです。


さて、講義は

 原料となる芭蕉の種類、用途から。

芭蕉は 平たく言うとバナナの木。

いくつか種類がありまして、

実芭蕉・・・みなさんご存知の食べるバナナ

糸芭蕉・・・繊維に使うもの

花芭蕉・・・観賞用、真紅の花を咲かせます。 


もちろん、着物や帯に使うのは糸芭蕉。

三年経った芭蕉の幹に当たる部分を使います。


糸を作り出す工程は 過酷そのものです。


まず、 カマで 背よりも大きく成長した芭蕉の幹を刈る『苧倒し』をし、

層毎に縦に裂く『苧剥ぎ』します。

幹は いくつかの層になっていますが 繊維に使われるのは真ん中の2種類の部分。

外皮は紙の材料なったり、絣を作りに利用します。芯の部分は食用になります。(イノシシさんが食べるそうです。)


次に 綛(かせ)=剥いだ繊維の束を『苧炊き』します。

 木灰を使って煮ます。 繊維を柔らかくするためです。


  *『苧』沖縄では 「うー」と言います。

    うー倒し、うー剥ぎ、うー炊きなど。


そして、 『エービ』という竹の道具を使って、繊維の取り出します。『苧引き』です。

できたものを天日干し。


さらに 手を使って細く裂いていき糸にします。


さらにさらに 糸を玉状にした『チング』を 

乾燥を避けるために水に浸しながら 繋いでいく作業『苧積む・うーうみ』。

カミソリを使って結び玉が小さくなるように端を切り落とします。


そのあと、糸車を使って撚をかけます。

よりをかけることによって毛羽立ちを防ぐことができるそうです。

この工程もとても大変なんだと言っていました。


やっと糸ができました。

はぁー、書いているだけでもため息が出そうなくらい大変な作業です。


1反着尺にするためには200本の芭蕉が使われ、

2万2千回糸をつなぐ作業が必要なのです!

気が遠くなります。



さて、次は 絣作り・糸染めです。

重要文化財は 『てくくり』が条件。

糸をかすりの設計通りに括ります。



色と染め、柄については 『その2』で詳しくお伝えしようと思います。



お写真は着物。

戦後のものです。といっても戦後70年ですので、アンティークとはいえないまでも、ヴィンテージ!

古臭さを微塵も感じさせない魅力ある絣模様。

こんなに素晴らしい絣を織ることができるのは十数人に一人とか。

高温多湿でも肌に貼り付かず、爽やか!

見てください! 見た目も涼を感じるこの透け感!





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